石の教会

 多くの論文や著名な先生が,この歯は残せない=抜歯と判断される歯に対して,それを残そうとしてきたし,今でも変わらない。時には諦めそうになることもある。

しかし,残せる歯を抜歯してインプラントにすることに対する世間の批判や

最初から外科ありきで歯の内部からの本来の歯内療法を精一杯やらないことに対する批判も 何かすっきりしなかったけど,それが何でなのか,この言葉で解決した。

成功本位の米国主義に倣うべからず、誠実本位の日本主義に則るべし”

これは,群馬県民なら誰でも知っている 内村鑑三先生の言葉の一つだ。

 

 

軽井沢に"石の教会"という教会がある。この中に内村先生が,今,有名な"星のや"の若主人(大正十五年当時)に宛てた書簡がある。

"成功の秘訣"という書簡で,内村先生が六十六歳の時に書いたものだ。(以下 全文)

 

 成功の秘訣    

 

一. 自己に頼るべし、他人に頼るべからず。

一. 本を固うすべし、しからば事業は自ずから発展すべし。

一. 急ぐべからず、自動車のごときもなるべく徐行すべし。

一. 成功本位の米国主義に倣うべからず、誠実本位の日本主義に則るべし。

一. 濫費は罪悪と知るべし。

一. よく天の命に聴いて行うべし。自ら己が運命を作らんと欲すべからず。

一. 雇人は兄弟と思うべし、客人は家族として扱うべし。

一. 誠実によりて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。

一. 清潔、整頓、堅実を主とすべし。

一. 人もし全世界を得るともその霊魂失わば何のためあらんや。

 人生の目的は金銭を得るにあらず。品性を完成するにあり。

 

大正十五年七月二十六日 星野温泉若主人のために草す

 

                         六十六翁 内村鑑三