シーラントをすれば,虫歯にならない?

シーラントとは?

臼歯の咬合面(噛む面)や側面には,複雑な形をした溝があります。この溝を小窩裂溝(Fissure)と言います。こも溝には様々な形があり,そこに歯垢が溜り,虫歯になりやすいことから,その溝を虫歯になる前にプラスチックで埋めて,虫歯になりにくいようにする処置を”シーラント”といいます。

①入口 ②側壁 ③底 と場所によってこのように呼ぶことがあります。最も虫歯が生じやすい部位はWall部であると,文献には書かれています。

参考文献

寺嶋 浩義,小窩裂溝部におけるエナメル質初期齲蝕に関する研究-画像解析により脱灰部のミネラルの定量的観察と初発部位について- J. of Dental Health 42, 219-232(1992)より引用

小窩裂溝の形にも様々なものがあります。

参考文献

寺嶋 浩義,小窩裂溝部におけるエナメル質初期齲蝕に関する研究-画像解析により脱灰部のミネラルの定量的観察と初発部位について- J. of Dental Health 42, 219-232(1992)より引用

これは”涙型 Tear drop pattern”で,このような形の裂溝は, 歯垢が”入りやすく,出にくい” のが,よくわかると思います。

図は,参考文献 

寺嶋 浩義,小窩裂溝部におけるエナメル質初期齲蝕に関する研究-画像解析により脱灰部のミネラルの定量的観察と初発部位について- J. of Dental Health 42, 219-232(1992)より引用


歯ブラシの毛先の太さ

当院で最もコンスタントに売れている歯ブラシは,Bee Queenとう歯ブラシです。自分は子供の時,この会社のミラノールというフッ化物洗口剤で,うがいをすることを父親から強制されていました。

この会社のBee Queen95,105シリーズは,最も使いやすい歯ブラシで,自分自身でも毎日使用しています。メーカーのHPには,毛先が8ミルで,植毛列は2+3×6と記載されています。

8ミル?ミリの間違いでは?と思う方もいるかもしれませんが,間違っていません。Wikipedia大先生によると「ミル(mil)という単位は,主に軍事関係で使われる角度(平面角)の単位であると記載されています。1ミル=1/1000インチ=0.0254mmだそうです。したがって,8ミル=0.2032mmとなり,0.20mm=200μとなります。

 

技術の相違

上記図,中央のI-2というタイプに虫歯が初発する頻度が最も高く(64.9%)であり,2番目がI-1(13.5%)3番目がI-3で,10.8%であったと報告されています。

小窩裂溝の幅は?

部位別では開口部にみられた窩溝幅径の平均 は182.6μm ,側 壁部 では153.0μm, 底 部 では108.1μmで あ った。

また,窩 溝形態別 の窩溝幅径 の平均 はT Typeで は132.3μm, 1-1Typeで は199.5 μm, I-2Typeで は157.8μm, 1-3Typeで は126.9 μmで あった。 

と報告されています。

また,小窩,裂 溝別の初発頻度 は小窩部 で81.1%で あ り,裂 溝部 では18.9%で あった。とされています。

200μでは届かない

ということは,毛先が200μでは,小窩裂溝には毛先は届かないということになります。しかし,Bee Queenは,子供さん用の歯ブラシではありません。が,他の歯ブラシもそれほど変わらないと思います。

 


顕微鏡で見た歯ブラシです。上がBee Queen105。下がO社24です。毛先の太さは明らかに違いますし,毛先もBee Queen105は,揃っていmすよね。技術とは,このようなところに存在するのです。だから,O社のものより高いです。

間違っても安いホテルの備え付けの歯ブラシは使ってはいけません。

1.顕微鏡下での有効性

私は,シーラントをする時の顕微鏡下で拡大して治療することをかなり以前から推奨してきました。

では,拡大が必要な理由は何でしょうか?

2.何かを詰める前に徹底的な清掃!

歯垢が小窩裂溝に残存している状態で,シーラントをしても意味があるでしょうか?

歯垢を綺麗に除去しなければ,意味はないし,シーラントも接着しません。当たり前ですよね?

3.綺麗にする!!

超音波器具を使わなければ,小窩の歯石や歯垢は,そう容易には除去できません。上の図で使っているのは,100μ(0.1mm)の器具です。歯ブラシで磨いただけでは,200ミクロン以下の場所にあるものは除去できないし,歯石は歯ブラシでは除去できないです。当たり前です。

図の左上にあるツブツブは,以前にどこかで行ったシーラントの残骸です。小窩裂溝のすべてにシーラント材は填塞されているでしょうか?

4.超音波と酸処理

超音波器具で汚れを完全に除去した後,エナメル質の部分を酸で処理(エッチングといいます。エッチングには,リン酸が使用されます。)その後,接着剤を塗布し,小窩を埋めるプラスティック(レジン)を填塞します。これによって,予防的なシーラントができたといえると考えています。


現在行われているやりかたでは,虫歯になって当たり前

歯ブラシや専用といわれている清掃用ブラシで該当歯の周囲を清掃しても,絶対に歯石,歯垢は取れないです。その環境で,溝を埋めたつもりでも,接着はしないし,埋める材料も,気泡が入っていたり接着剤も溝の全体に浸透しているかを確認するためには,顕微鏡による拡大治療がかなり有効だと思っています。残念ながら,現在までの方法では,虫歯が生じても当たり前としかいいようがありません。シーラントをしたから大丈夫という安心は危険です。”何をしたのか”でなく,”何をどうにしたのか?”ということが大切です。

ラバーダム防湿は必須です。

当院で治療を受けられている患者さんは,理解していただいていると思いますが,ラバーダム防湿は,シーラントの時も必須です。唾液を入れないのが主な目的になります。それなのに,日本の保険制度では,米国では犬の治療でも必須な,ラバーダム防湿を保険から削除してしまいました。かつては点数があったのですが,現在はありません。とても残念なことです。

当院では子供は診ない?

そのように思われる患者さんも多いかもしれませんが,そんなことはありません。(笑)

しかし,このような施術をしますので,当院では,歯科衛生士がシーラントを行うことはありません。

すべて私(武井)が行います。また,自由診療とさせていただいていますので,臼歯は¥10,800/1歯 の治療費がかります。高いか安いかは,患者さんの判断によります。また,同じことをやってもらえる歯科医院を以下に掲載します。掲載がない地域については、メールでお問い合わせください。

なお、料金は、各医院により異なりますので、事前にお問い合わせください。また,当院では,シーラントの保証をするわけではありませんので,お間違えなきよう,お願い致します。

シーラントをしたから,”絶対に虫歯にならない”わけではありません。”絶対”ということは,医療の世界ではありえない言葉です。シーラントも,処置をした後の”自己管理”が最重要です。毎日の歯磨きをきちんとしましょう!

なお,今は一般的ではありませんが,10年後には,この方法が一般的になり,効果が証明されるようになると確信しています。

虫歯にならないようにすることが一番,経済的かつ健康的な方法です。また,顕微鏡を使い始めの先生にも無理なくできる安全な処置です。

私は,マイクロスコープによる拡大視野下での、フィッシャーシーラントを、”M.F.S.(仮称)”と略称として、名付ける事にします。(2018.09.25)この方法が,10年後には一般的になっていることを祈ります。

 

僕の考えに賛同し,

顕微鏡下できちんとしたシーラント(M.F.S.)を行ってくれる歯科医院をご紹介します。

 

群馬県前橋市

アルファ・デンタル・オフィス

院長 狩野厚史先生

http://www.alfadental.jp/

 

東京都町田市

松森歯科  

院長 松森広泰 先生

http://www.matsumori-dent.com/

 

神奈川県 川崎市

C&Cデンタルオフィス

院長 山田貴雄 先生

https://www.candc-dental.com/

 

神奈川県川崎市

医療法人社団友信会

新百合山手アクザワ歯科医院

院長 阿久沢信人 先生

http://yusinkai.com/jiturei.htm

 

神奈川県 海老名市

K'sデンタルクリニック

院長 鎌田洋一 先生

https://www.ks-shika.com/